前置き
前回は国や業界がどのような目的を持って清掃を行うのかまとめていきました。建物の環境衛生の維持を目的として清掃を行う事によって、家庭の掃除から組織的に管理をする仕事としての地位を国が与えたと考えられますね。
今回は私がなぜ清掃を行うのかを手短にまとめる事にします。
先に結論、人の為に行うのだ!(自分も含めた)
「環境衛生の維持」
建物を利用する不特定多数の方が健康上の被害を出さないために清掃をする事が目的で、もちろん他にも美観を良くする、安全性や保全性を保つのも目的をするのですが…
「誰の為に」
これが抜ける人が多いと私は非常に感じます。これは自分も含めた建物の利用者…まとめて人の為です。
人の為というは口やこういう文を見れば当たり前だけれど、実際の自分の掃除を振り返った際に余裕がある時やできるだけ人の為・利用者の為になっているのか考えてほしいです。
こう書いてあるのは、私も毎日常にそこまで考えては仕事はできていません。どうしても業務都合で一人で2~3人分の作業を行う際は「その日だけは」手を抜かざる得ないので手を抜きます。
と余裕が無かったり、常にというのは難しいと思うので意識として「人の為」に清掃をやるんだという第一前提を持つと仕事ぶりや考え方が変わると思います。
お金の流れ
どうしてそこまで人の為を考えなければいけないのかはお金の流れをみると見えてくると思います。

①顧客から仕事の依頼を会社が受ける
②会社が従業員に業務の振り分けをする。
③従業員が顧客の為に業務を行う。
従業員(私のような現場で清掃をする方々)の業務内容(清掃の結果)を顧客側(あるいは会社、建物の管理会社など)がインスペクション(清掃評価)や普段の仕事ぶりを評価します。
その結果が賃金や会社の評判に繋がり値上げや環境の改善、人員の自然増加につながります。
顧客の認識と負のスパイラルの入りやすさ
今上記で上げたのは理想論です。ちなみに私や清掃を真面目にやっている仲間は顧客からの評価を貰って賃上げが成功したり、管理会社のインスペの際にスムーズに監査が終わったりと良い循環が流れていますが、現実問題はそんなに単純ではありません。
基本的に清掃というのは顧客に対しては余分なコストとして見られることが非常に多いです。そのためいかに清掃に対してのコストを削るか?or最悪無くすことはできないか?を考える顧客の方が多いと思います。(本来でいえば本業に専念したいので、余分なコストと言われても仕方ありません)

その結果、最低限を下回る賃金(そもそもそんなもの受けるべきではないが…)しか頂戴できなくなり、仕様書の作業が賄えるだけの人を雇えない・資機材の購入もできない状況になり、結果として清掃の質が低下していき評価が下がり、報酬の減少や最悪契約解除になり仕事自体が無くなるという負のスパイラルに入りやすいようにも感じます。
これに関しても詳細には書けないですが、不真面目な方や顧客の為というのを勘違いして間違った顧客との信頼関係を結んだ方(声掛けをして話をしている、袖の下を渡して機嫌をとる…など肝心な清掃をしていない方々)は自分は良くても、知らず知らずの間に負のスパイラルに陥って報酬が上がらない、人が集まらないなどの状況下に陥っているのも見ています。
まとめ
これ以上は話が長くなってしまうのでまとめていこうと思います。私としての意見としては、
清掃は顧客の為に行うものである。(環境衛生の維持がもちろん第一として)
顧客の信頼を得るために、自分の賃金や職場の環境をよくするためにも顧客や自分自身の為にもそのことを第一としなければならない。
技術というのは、この顧客の信頼を得るための手段である。
あくまで手段である。
これを強調したのは技術を持っていても「何の為」という物が抜けてしまえば価値が無い。最悪なのは技術がある事での従業員への圧力(マウント)を取り出したら目も当てられない。
この顧客(自分や職場の従業員も含めて)の為に環境を良くしたり、美観を良くしたり、安全性を高めたり、建物の延命化・保全性を高めるために清掃を行うという目的を心の片隅に置いて頂ける方が少しでも増えて頂ければなぁ…と思います。
という事で今回も長い文章になってしまいましたが、次は技術的な事が書けたらいいな(笑)と思います。ご精読ありがとうございました!