こんにちは、二等兵です。
今日は実技ペーパーの計算問題の解き方の手順を解説していきます。
計算問題については例年同じような解き方の為、2024年の問題のみ行います。(なお、後半の選択肢の問題についてはここでは解説をしません。)
問題は、こちらから確認をお願いします。
床洗浄の問題(問1~3)


①仕上げ材を確認して、分類分けしよう!
問題を見る前に、それぞれの仕上げ材を確認します。
- タイルカーペット :ロビー、事務室、会議室(3つ)
- ビニルタイル :階段・廊下(1つ)
- ビニルシート :トイレ、給湯室(2つ)
- コンクリート :駐車場(1つ)
今回は洗浄対象の条件を見ると「コンクリート」は洗浄対象外なので無視できます。なので以下のような感じになります。

実際の問題はこんな感じで色分けできないので、仕上げごとで「A(タイルカーペット)」「B(ビニルタイル)」「C(ビニルシート)」と分けて、部屋名の上に書いて分かるようにしましょう。
②洗浄面積を確認しよう
まだ問題は解きません。次にそれぞれの部屋の面積を確認しましょう。
(ここが間違えると取り返しがつかないので、計算をしたら絶対に見直しをしましょう)

下の赤文字は条件に合った什器・備品の占有率です。(例5%→0.05、30%→0.30…など)
問題の条件の部分にも書いてありますが、洗浄面積から取り除きます。…がイメージが付きにくいと思いますよね?という事でイメージとしてはこんな感じです。

凄い殺風景な部屋ですね(えぇ…)
真ん中に机がありますが、机の部分は洗浄できませんよね。
机があって洗浄できない部分が例えば部屋の面積の内5%あります。
この物があって洗浄できない部分の面積の割合が占有率と表現されてます。
※今回は机でしたが、このようなオフィスで使う家具のようなものを「什器」と言います。
なので、洗浄できない部分を計算しましょう。
洗浄できない部分の面積 = 床面積 × 占有率(%)
…と式だけ並べられてもと思いますので、それぞれ占有率が決められてる部屋(階段・廊下以外ですが)で実際に計算してみましょう。
- ロビー:1000×0.05=50㎡
- 事務室:4300×0.30=1290㎡
- 会議室:600×0.10=60㎡
- トイレ:540×0.05=27㎡
- 給湯室:60×0.05=3㎡
なので実の洗浄面積としては、このようになります。

念のため式としては、以下になります。
実面積 = 床面積 - 洗浄できない部分の面積
問1
洗浄する対象床面積の合計を算出しなさい
これはここまで準備をしていれば簡単ですね。実の洗浄面積の総合計を出しましょう。
950+430+3010+540+513+57=5500㎡
なので、合計で5500㎡が答えです。
問2
洗浄作業を6班編成で行った場合の作業時間(時間)を算出しなさい。ただし、答えが小数点第二位以下になった場合には四捨五入し、小数点第一位までを回答すること。
①分類分けした床面積を出そう
まずは分類分けしたものの床面積の合計を出しましょう。
- タイルカーペット(A):ロビー、事務室、会議室
950+3010+540=4500㎡ - ビニルタイル(B) :階段・廊下
430㎡ - ビニルシート(C) :トイレ、給湯室
513+57=570㎡
②1班の時の作業時間を割り出そう!
ここまで計算したら一度条件を見直してみましょう!
a.タイルカーペット床の洗浄作業は、1班の作業量を1時間当たり180㎡とする。
b.ビニルタイル床の洗浄作業は、1班の作業量を1時間当たり200㎡とする。
c.ビニルシート床の洗浄作業は、1班の作業量を1時間当たり200㎡とする。
という条件があります。ここから以下の式で「1班が作業完了できるまでの時間」が出せます。
(仕上げ材ごとの)床面積の合計÷1班が行う1時間当たりの作業面積
=1班が作業完了できるまでの時間
イメージがしにくいかもしれませんので、以下のようなイメージを持つと分かりやすいかもしれません。(今回のタイルカーペットの例でイメージを作ってます。)


では、ここで素材ごとの床面積の総作業時間を見てみましょう、
- タイルカーペット(A) :4500㎡÷180㎡=25時間
- ビニルタイル(B) :430㎡÷200㎡=2.15時間
- ビニルシート(C) :570㎡÷200㎡=2.85時間
※注意※
ここで少数が出てますが絶対四捨五入をしないようにしてください。
答えが変わってしまいます。
あとは、これを一度まとめて1班で作業をやる場合の総時間を出します。
25+2.15+2.85=30時間
②今回は何班で作業をやるのか?を確認して最終の時間を見てみよう!
最後に問題文をみると「6班編成」でと書いてあります。
では1班で30時間かかる作業量を6班で行った場合確実に6倍早くなりますよね?イメージを作るとしたらこんな感じですね。

イメージで書いてしまってますが、結果としては以下のようになります。
30(1班での総時間)÷6(今回の班数)=5時間(実の総時間)
よって5時間が答えになります。
四捨五入は答えの時に行います。計算の途中で絶対行わないようにしましょう!
問3
タイルカーペット床の洗浄作業に必要な洗剤原液の量(L)を算出しなさい。ただし、答えが小数点第一位以下になった場合には切り上げて整数で回答すること。
タイルカーペットは、問2で床面積が4500㎡と出てますのでこれを使いましょう。そして、条件を見てみましょう!
タイルカーペット床の洗浄作業に用いる洗浄液は、10㎡当たり3Lとする。
なお、洗浄液は、洗剤原液を30倍に希釈したものを使用する
①洗浄液の総量を計算しよう
これはイメージを作らなくても大丈夫だと思うので省略しますが、「10㎡で3L」という事なので以下の式ができます。
4500㎡(床面積)÷10(㎡)=450(10㎡が何個あるか)
450(10㎡の総数)×3L=1350(洗浄液の総量)
となるので、1350Lが洗浄液の総量になります。
②原液の量を調べよう
洗浄液は「水と洗剤が混ざったもの」です。なので、ここから洗剤のみの量を計算しなければなりません。これを計算するには「洗剤の希釈倍率」が分かれば計算できます。
最初に式を見てみましょう!
洗浄液の総量÷希釈倍率=洗剤の原液量
普段の仕事でも希釈をする場面があると思いますが、イメージがしにくいと思いますよね?なのでこんな感じだと考えてください。

要は何分割するの?って話ですね。(雑)
今回は1350リットルの洗浄液に30倍希釈の洗剤が使われているので、以下の式になります。
1350(洗浄液)÷30(希釈)=45(洗剤の原液量)
となるので、45ℓが正解になります。
ちなみに水の量を求める事もあります。その場合は今のやり方で洗剤の原液量を出した後に以下の式で求める事が出来ます。
洗浄液の量 - 洗剤の原液量 = 水の量
今回の場合は1350-45=1305ℓが水の量になります。
人工計算(問4~5)


①面積÷標準作業量×回数で1人当たりの時間を出そう!
まず問題を見ていく前に表を埋めていきましょう!
標準作業時間は以前の解説でも何度も出てきていますが「標準的な人が標準の手順・能力で行う作業量」の事です。
例えば表の一番上「役員室及び会議室」の標準作業量は「180」と書いてあります。
これは1人で1時間で役員室及び会議室を180㎡掃除ができる事を示してます。
標準作業量=1人で1時間「(部屋)」を〇㎡掃除ができる。
ここから面積と作業量から時間が出せます。この例でいくと面積が540㎡なので、540÷180=3時間。
なので、1人で3時間かかる事が分かります。
後は回数ですが、この例では1回なので3時間で大丈夫です。これが2回だと3(時間)×2(回)=6時間になったりします。
この調子でそれぞれ何時間かかるのか数字を埋めるとこんな感じになります。

問4
1 日あたりの日勤作業員の必要人員数(人)を算出しなさい
まずは日勤作業員に関する条件を見てみましょう!
日勤作業員による清掃区域は「共用区域」とし、勤務時間は、実働 7 時間とする。
さらに、日勤作業の責任者(1名)は、点検・報告等のため、日常清掃作業以外に 1 時間を要するものとする。
共用区域がどれだけ終わるかを見ればいいみたいです。ですが、作業員と責任者の条件が少しわかりにくいですよね?なのでこのように整理しましょう。
- 作業員→7時間で計算
- 責任者→6時間で計算。(条件で作業以外の時間で1時間必要なので、7-1=6時間となります)
①共用区域の総作業時間と責任者の時間
では、ここで共用区域の総作業時間を計算しましょう。
共用区域(時間数のみ記載):6+4+4.5+2+1.5+2=20時間
ここから責任者の作業時間のみ(6時間)を引くと20-6=14時間となります。
いきなり作業員の7時間で割らずに、必ず最初に責任者の作業時間を取り除きましょう。
②上で出した時間から作業員の数を出そう
14時間が責任者以外の作業員で分担する時間なので、7時間で割りましょう。
作業員(責任者除く)の数:14÷7=2人
なので答えは2人!ではなくて、責任者の数も足さないといけません。
2(作業員)+1(責任者)=3人が答えになります。
作業員の数を出したら、責任者も必ず加えましょう!
問5
1 日あたりの夜間パート作業員の必要人員数(人)を算出しなさい。
問4と同じように今度は夜間パート作業員の条件を見てみましょう!
夜間パート作業員による清掃区域は、「専用区域」とし、作業は 3 時間で終了するものとする。
夜間パートの場合は責任者を分ける必要がないので一律で3時間で考えることができます。
正直問4よりこちらの方が簡単です。
専用区域の時間÷作業時間で計算をしよう
全体的な流れは問4と同じなので、今度は専用区域の時間を計算して作業員の時間で割りましょう。
専用区域(数字のみ記載):3+15=18時間
作業員の数:18÷3=6人
なので、答えは6人が答えになります。
問4,5で最も気を付けないといけない事は「専用区域」と「共用区域」を間違えない事です。理屈さえ分かってしまえばボーナス問題にも等しいので、この問4,5は確実に焦らずに取れるようにしましょう。
まとめ
以上が計算問題の解説になります。
実技ペーパー:満点(20点)の内40%以上 → 4問以上獲得する必要がある。
実技 :各課題(1~3)の内40%以上、かつ、実技ペーパーも併せて60%以上
→6問以上取れば実技が多少ダメでもカバーができる。
※標準時間を超えると減点、打ち切り時間を超えると失格
上記はビルクリ1級の合格基準ですが、最低の4問以上というのは、計算問題を確実に取れれば問題ありません。しかし、実技も絡んでいるのでできれば6問以上獲得をして、多少実技でミスをしても大丈夫なようにしたいですね。
(ちなみに私は2級の試験で実技は時間内で収まりましたが、実技ペーパーで惨敗して不合格を食らったことがあります。)
理屈が分かってしまえば問1~5の部分は確実に点数が取れる部分です。問6~10は完全に運があるので、計算問題を確実に取れるようにして最低の足切り4問以上を突破、できれば後半も併せて6問以上獲得して実技のために余裕を作りましょう!